オルガン堂のご縁をつなぐ福島ツアー
2013年から3年間、東京下北沢で当会が運営していたアンテナショップ「ふくしまオルガン堂下北沢」。震災による風評でダメージを受けた福島の有機農家の農産物を、首都圏のボランティアの方々の協力で販売し、その農産物をふんだんに使った「ふくしま定食」も提供していました。
2016年3月に惜しまれつつも閉店したものの、その時のスタッフやお店に来てくれた常連さんなどは、その後も頻繁に福島に訪れて農家と交流したり、農産物を取り寄せてくれるなど、ご縁が続いています。
今回もそうしたご縁をより強固なものにすることを目的に、県の助成を受けて企画したのが「オルガン堂のご縁をつなぐふくしまツアー」。ただ残念ながらコロナ禍で首都圏からの消費者をお呼びすることができず、今回は県内に住むオルガン堂にゆかりのある方々と一緒に、会員農家さんを8月29日30日に訪問してきました。
まずは三春町のえすぺりさんです。こちらは田村市船引町の有機農家・大河原さんご一家が経営しています。こちらの訪問の目的はオルガン堂のふくしま定食を彷彿とさせるぐみの木定食。実はオルガン堂の調理スタッフだった倫子さんが大河原海さんと結婚し、こちらで定食を出しているのです。
えすぺりを後にして、田村市船引町の日本エゴマの会ふくしまへ。阿武隈山地のど真ん中。周辺は美しい里山です。こちらではエゴマの摘芯をほんのちょっとだけお手伝いしました。摘んだ芽はお土産に戴きました!
阿武隈山地を走って二本松市旧東和町の有機農家・佐藤佐市さんのところへ。昨年秋の大雨でハウスがすべて水害に遭ってしまいましたが、不屈の精神でみごとにハウスを再建し、栽培を再開していました。トマト、菌床しいたけを中心にさまざまな野菜を生協などに出荷しています。
今晩の宿は同じ旧東和町の古民家を改装した農泊ゆんたです。奄美大島出身の仲里さんが運営しています。とても素敵な宿でした。
翌日は福島県でもっとも有機栽培のキャリアが長い二本松市の農家・大内信一さん・督さんのところへ。ソーラーシェアリングや代かき3回して除草を一切しない無農薬栽培の田んぼなど、さらに進化していました。ここの人参ジュースは大人気です。
当会の事務所近くの名刹・大隣寺で二本松少年隊のお墓をお参りしてから郡山へ。ハッピーファームの安田潤一さんを訪問しました。こちらはナメコの他、大型ハウスにぶどうやパパイヤなどを栽培しているユニークな農家です。
お昼は当会の理事でもある有馬克子さんが営む銀河のほとりです。
ツアーの最後は福島市駅前で毎週日曜日に開催されているグッディマーケットと、この春オープンしたばかりのお百しょう屋さん。どちらも佐藤宏美さんが中心になって運営されています。駅前中心街の小さな八百屋さんですが、オープン半年足らずで地元にみごとに溶け込んでいました。
一泊二日の駆け足ツアーでした。今回は中通りが中心で、なおかつ首都圏の消費者をお招きできませんでしたが、次回は会津、浜通りの農家さんを巡るツアーを企画したいと思います。